もっと愛せるようになった。
秋の終わりの波のさざめきを。
しんしんと降り積もる雪の日の無音を。
桜を散らす春の花冷えの風を。
何もない夜のまっすぐ道も。
歩調にあわせるように変わる信号も。
日陰ばかりつくる無機質な高層ビルも。
偶然であった知人との立ち話も。
衝突しても離れない友人とのいつもの言い合いも。
いつからこんなに愛せているのだろう。
まるで天使になった気分だ。
背中から羽がはえたように軽く、
神の愛に包まれたようにあたたかい。
何か重く、心を冷やすものから解き放たれたように。
そんなことを考えながら、
今日もお気に入りに袖を通す。
いつからだろう。気づけばこればかり。
そして初めて着たわけでもないのにそれとなく。
鏡の前にたってみるのだ。
TECHNOLOGY
エアフリークに詰め込まれた技術
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エアフリークに詰め込まれた技術